昨年末の12/23に録画した番組をご飯を食べながら観ていました。
 これ→ 「ビートたけしの超常現象[秘]Xファイル」

毎年楽しみに観ているのですが、マインドスキャンのタネがわかってしまったので書いちゃう。
ティモンという若者が登場して、スマートフォンの暗証番号をその場でマインドスキャンして当てるという手品。
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まず、三四郎の小宮さんが、誰にも見られないようにスタジオの片隅でこっそり紙片にスマホの暗証番号を書きます。誰にも番号を見せないまま紙片はしまわれます。
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その後、小宮さんがティモンと両手を合わせてマインドスキャンされると、あら不思議、ティモンが小宮さんのスマホのロックをやすやすと解除して会場の皆は騒然、拍手喝采という手品です。

そのあと、大槻教授が自分のiPadの暗証番号を当ててみよと挑戦!ところが見事に暗証番号を当てられて返り討ちにあってしまったという・・・。

このマインドスキャンのタネはステージの構造にあります。結構大がかりなんです。
もちろん、TV朝日も全面的な協力者です。

次のシーンは小宮さんが最初に隠れてパスワードを書こうとしたシーンですが、この半球状のオブジェの裏側から頭を突っ込んでいるスタッフがいて、パスワードを覗き見ているのです。
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スタジオの全体像を見てみましょう。隠れて書く場所が向かって左側にしかないように構成されています。隠れて書くように指示があったときに、進行の女性(中央)が仕掛けの場所に小宮さん(左端の青ジャケット)を誘導しています。
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扉の付近をあらためて見てみましょう。
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赤い丸で示したところに床起きライトが配置されています。青丸で示した半球状のオブジェに光を当てることで明暗差を作り、裏側からは覗き見れるけど、ステージ側からはそれがわからないようにしています。床起きライトのもう一つの重要な役割は、隠れてパスワードを書く位置を限定させる役割を果たしていることです。

ところが、次の挑戦者である大槻教授は、警戒心マックスで、覗き窓である半球状のオブジェを通り過ぎてしまいます。普段、ここまで大胆に舞台で歩き回る人はいないんでしょうね。
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焦ったティモンは、大槻教授にしゃがむようにうながします。
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でも、大槻教授は無視(笑)
左側にいるカメラマンは、奥まで進んでこないように配置されていたんでしょうけどね・・・。

覗き見ることに失敗したティモンはどうしたかというと、古典的なトリックで紙片を取り換えて見事に成功させていました。詳細は割愛しますが、おそらくボビーが協力者です。

もともと何重にも失敗したときのタネや協力者が仕込んであるはずなので、おそらく、覗き穴は扉の横棒の下側の隙間やレンガのつなぎ目にも設けられていただろうし、ペン先にもカメラがついていただろうし(大槻教授は自分のペンを使った)、テーブルに置いた紙片を狙う望遠カメラもあったかも知れません。大がかりな工作チームが裏で動いていたことは間違いありません。

私がみるところ、ぎりぎりのところで成功させたという感じでした。よーく録画したものを見てみると手品師のモラルに触れるかどうかのきわどい編集がされています。そこをカットしてしまったら、手品として成立しないというシーンがほんの一瞬しか映らないように編集されているのです。また、編集点を巧妙につないで一連のシーンに見せかけるとかありますから、よほど苦労したのでしょう。流して観るかぎりは、簡単にパスワードを当てているように見えるでしょうが、ティモンは内心汗だくだったと思います。

さて、大槻教授は、もし当てられたら「早稲田大学名誉教授の称号を返上します!」と事前に宣言していたものだから、苦しい立場に立ってしまい、これは手品であり、1か月間(時間をもらって)、手品のトリックを見破ってそれをブログで発表しますと言っていました。

それにしても、結構みなさんマインドスキャンという行為が本当にできると思い込んでいる人が多くてビックリ。
あれ、みんな手品ですよ。
あ、間違えた。本当にスピリチュアルな分野で心を読める人もたまにいると思いますが、目の動きとか、筋肉の微細な動きを当てると主張する人たちはマインドスキャンという技術が世の中にあると思い込ませているだけですからね。Mr.マリックさんが、自分の手品のことを「超魔術」とか「ハンドパワー」とか呼ぶのと一緒です。

ほかにも、芦田真菜ちゃんが背中側でコインをどっちに握るか当てさせていたけど、あれは背中側に座っている人の中に協力者がいればいいだけの簡単な手品です。
(あとは、途中、昼寝をしてしまったのでまだ観ていない)

ところで、大槻教授はもう81歳なんですね。お年寄りをだましちゃいけないよ。うん。